2012年05月28日

またまた行きたい屋久島

5月のゴールデンウィークを利用して世界遺産の島屋久島に行って来ました。
月に35日も雨が降ると称されることのある屋久島ですが、我々7名が訪れた
5/3〜5/6の4日間はずっと快晴が続き、美しい景色を堪能できました。
島の南側の淀川登山口から入山し、山中で2泊し、北側の白谷雲水峡に
抜けるルートを歩きました。このルートは九州最高峰の宮之浦岳や、
深い谷が見える永田岳、それから縄文杉等の巨木のある森、トロッコ道、
もののけ姫の舞台のモデルとなった苔むした木々の森等、屋久島の魅力
満載のとてもよいコースでした。小鹿にも会え、普段と違う自然の豊かさに
圧倒され続けた4日間でした。

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福岡から鹿児島まで新幹線で移動し、鹿児島から高速船で屋久島の安房港に向かいました。
鹿児島の桜島をバックに記念撮影。快晴の空模様にテンションも上がります。

安坊港では予約していたタクシーに分乗し、
島のほぼ南側に位置する千尋の滝を観光しました。
巨大な花崗岩の一枚岩から流れ落ちる滝はやはり勇壮でした。

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その後タクシーの運転手さんのお勧めで近くの尾之間温泉に浸かりました。
体がしびれるくらいの熱湯でした。気持ちが引き締まりました。
また数年前に会のメンバーで登ったモッチョム岳も見えました。
海岸からすぐのところにあるにもかかわらず、その切り立った山頂は940mもあり、
屋久島の険しさを誇っているように見えました。

その後淀川登山口を目指してタクシー50分ほど走りました。
車内に入って来る風が気持ちよかったので、窓を開けていたのですが、
標高が高くなるにつれて風が冷たくなり、最後は窓をしめた状態で
登山口に到着しました。登山口の標高がすでに1360mとのこと。
風が冷たいはずです。

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荷物満載のザックを見せながらの記念撮影。皆やる気満々です。
ただ、すでに時刻は夕方となり日が陰ってきていました。
明るいうちに淀川小屋までたどり着きたかったので、少しばかり焦りを憶えました。
手早く写真を撮って出発します。

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森に入るとすぐに多くの巨木を目にしました。先を急いでいるにも関わらず、
横から差し込む日差しに木々が美しく、何度も写真を撮ってしまいます。

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一時間ほど歩き、無事に日のあるうちに目的地の淀川小屋に到着しました
すでにテント場は他の登山客で埋まっており、近くの林の中にテントを立てました。
夕飯はミートスパゲティと鶏肉でした。YSさんが7人分のパスタを一気に茹でてくれました。
最初は「7人分を一気に茹でるのは無理そうだ」等と弱気な発言をしていたのですが、
「ちょっとばかり無理をして下さい」とお願いしたら頑張って大量の麺を一つの鍋で
ゆで上げてくれました。会の備品の大鍋を借りてきて大正解でした。

食後に真っ暗な森の中でピーナツをつまみながら軽くとりとめもない話をしてから寝ました。
翌日4:00に起床し、すぐに朝食用のお湯を沸かしました。
昨日余ったパスタも、私とHNさんおスープの中に入れて食べました。
残飯処理みたいで最初は気が進まなかったのですが、実際に食べてみると美味しく、
腹に溜まる朝食がとれました。

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テント撤収や、再度のパッキングに時間がかかり、
出発予定が40分ほど遅れて6:00近くになってしまいました。
昨日は入ったはずの荷物が入らないとYMさんがしきにりぼやいているのが聞こえました。
そんなはずはないだろうと突っ込みを入れたかったのですが、
やさしいTSさんは荷物を自分のザックに入れてあげているようでした。

7:30前には「花の江河」と呼ばれる湿地帯に着きました。朝日が水や木々を照らし、
美しい日本庭園のような風景を楽しみました。
そこで名古屋から来た女性の二人連れの方に写真を撮って貰いました。
写真を撮って貰った際に、「ずいぶん立ち位置のバランスがいいですね。」
とお褒めの言葉を頂きました。即座にその立ち位置を「フォーメーションX」と名付けたのですが、
残念なことに2度とその「フォーメーションX」が屋久島で採用されることはありませんでした。

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「花の江河」までずっと森の中だったのですが、そこからは徐々に展望が開けてきました。
改めて空に目をやると、一目で今日は絶対に雨が降らないと確信できるほどに
どこまでも青い空が高く高く広がっていました。

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天気が良いと、心も自然とウキウキした気分になってきます。

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そして心がウキウキした状態になると、体の方も自然と
「シェー」で喜びを表現したくなっちゃいます。

この辺りからはまだ宮之浦岳は見えませんが、
展望のよい気持ちのよい場所をズンズン進みました。

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ズンズンと進むたびに大風景が展開していき、楽しさ全開です。

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相変わらず青い空に吸い込まれるようでした。
空の青さと緑のコントラストが美しすぎました。

歩きながら遠くに見える巨岩、奇岩に適当に名前をつけていきました。
TSさんがつけた玉子岩はヒットでした。いちどその名前で呼ばれると
それ以外の名前が思いつきませんでいた。本当は別の立派な名前が
あるのでしょうが、我々の中では、あの玉子岩で話が通じます。

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ちなみにYMさんはグローブやら、マットやらをポロポロと落としながらズンズン進みました。
優しいYSさんは、ずっとYMさん後ろに回り、
かいがいしくグローブやらマットやらを後ろから回収しながら進みました。
天真爛漫なお姫様とその後を忠実につき従う家臣のように見えました。
やがてその二人は皆から秘かに女王様、執事と呼ばれるようになりました。

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最後の登りでへばりかけて人もいたようですが、11時過ぎには全員無事に
九州最高峰の宮之浦岳の山頂に立ちました。
視界もよく、全方位の海が見渡せました。

そして屋久島がやはり島なのだと初めて納得した気分でした。
山を歩いている際は、その山や森の深さから、島だという印象は持てなかったのですが、
海を見るとはやり島なのです。ただ雲を見下ろす状態になるのが
普通の島ではないことを物語っていました。洋上アルプスとはよくいったものです。
隣の種子島もよく見えました。

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出発が予定より遅かったにもかかわらず、宮之浦岳には予定よりも前に着くことができました。
それほど飛ばした印象はなかったのですが、皆さん健脚でなにより。
宮之浦岳でパン程度の簡単な昼食を手早く済ませました。

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次の目標は隣に見えるこの永田岳。
宮之浦岳到着の時間が遅ければあきらめることも考えていた永田岳ですが、
予定よりも早く着いていたため、あきらめる選択肢等考えられませんでした。
空気が澄んでいるためか随分近くに感じました。
ひょいと飛べば着けそうな感じです。

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宮之浦岳の北側の斜面を下り、三叉路に出たところで重いザックを下ろし、
左側(西)に見えるの永田岳を目指しました。
ザックを下ろしてしばらくは歩く感覚が狂ってしまってました。
体が軽すぎて軽すぎてうまく歩けないのです。不思議な感覚でした。
もう重いザックなしでは生きられない体になってしまったのかと、
少し不安になったのですが、ものの5分で通常の歩き方を思いだしました。

ちなみにここでも執事は女王の後に忠実に着き従っています。
このころには執事が体に馴染んでしまっていたのでしょう。

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体が軽いのであっという間に永田岳のふもとに到着しました。
永田岳をバックに記念撮影と給水。
永田岳の斜面は比較的急でしたが、
比較的短時間で頂上に出ました。

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頂上に着いた途端その風景に驚きました。
深い谷間に広がる真っ白な雲海。

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まるで雲の上に立っているような気分になれました。
イェーイ!!

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この永田岳からの眺めは今回の屋島の行程の中で最高でした。
頭上にはどこまでも濃い青空。そして足元には純白の分厚い雲海。
そのコントラストと山や深い谷が織りなす風景の素晴らしさにしばし見とれました。

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もっとこの風景を見続けていたかったのですが、30分ほどで元の道を
宮之浦方向に戻りはじめました。宮之浦岳の全体が見える位置でもばっちり記念撮影。

永田岳から宮之浦岳のふもとの三叉路に戻ってきたのが2時近く。
そこから北西方向に延びる尾根を下って
4時半頃に2日目の目標であった新高塚小屋に到着。

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我々が到着した時にはすでにテント場にも、近くの林の中にもテントがぎっしりと並んでいました。
HNさんとYSさんは平らな場所テントを確保することができずに、
傾斜になっている林の中にテントを張って貰いました。

寝ていると徐々にずり落ちていき、何度も目を覚ましたそうです。
永田岳に寄ったのでどうしても遅くなってしまったのですが、
ここまで人が多いとは思っていませんでした。

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この日の食事はフリーズドライの白米と、フリーズドライのカレーと豆でした。
少々値段の張る食事でしたが、フリーズドライのグリーンカレーは美味しかったです。
食事の前には皆で手を合わせ、山々の精霊に本日の無事を感謝してみたりしました。


2日目も初日と同様午前4:00に起床予定でしたが、その15分以上前にTBさんの
テントの外のからの「マーボー春雨知りませんか?」の声で目が覚めました。
最初は寝ぼけていたので意味がよくわかりませんでした。
「マーボー春雨」担当のTBさんは、朝食のマーボ春雨の作り方が
気になって気になって仕方がなかったようです。
「作り方がわからないから先に1人分を実験しておきたい」とのこと。
「一袋で2,3人前ですよ。先に実験しておくような量ではないですよ」というと
諦めてテントから静かに去っていく気配がしました。
ちょっと寂しそうな気配が漂っていたかもしれません。

その後外に出しておいた食料を鹿が漁りに来ていたらしく、
TBさんは食料を守るべく鹿と格闘してくれていたようです。
TBさん早朝のお努力の結果、朝から美味しいマーボー春雨とパンを頂くことができました。

そして2日目は1日目よりも30分ほど早く出発することができました。
テントの撤収に慣れてきたのかもしれません。

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新高塚小屋を下り始めると早速巨大が屋久杉ががちらほらと見えて来ました。
一本一本に存在感があり、そららをすべてカメラに収めたい気持ちになりました。

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高塚小屋の横にあったかっこいい木と共に思い思いに記念撮影。

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そして高塚小屋から10分ほど下るとついに縄文杉が姿を現しました。
縄文すぎはやはり他の杉とは存在感が違いました。
幹の太さ、表面のねじれ具合、どれも屋久杉の王者の貫録十分でした。
樹齢7000千年とのこと。いったいいつから存在し続けているのやら。

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縄文杉と共に記念撮影。
朝日が縄文杉に当たって幹が輝いていました。

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そこから上の写真のウィルソン株が現れるまでの森が僕が一番好きな森でした。
かなり背の高い木々に囲まれて薄暗い感じのする深い森の中をゆっくりと下って行きました。
おそらくその森で一番カメラのシャッターを切ったと思います。

TSさんはカメラに収めることのできない空間の広がりを動画で撮っていました。
どれだけカメラを広角にしても木の根元から上の方までを一枚の写真には収められないのです。
テレビカメラだったら、根元から徐々にカメラを上に向けて木の肌をなめていくような
とり方をするしかないような所ばかりでした。

そのようなでかい木々の下で、MSさんは唄い出しました。
日本人の誰もが知っているあの日立のコマーシャルの木の唄です。
「この〜樹、何の樹」という出だしのあの歌です。しかし、その後がオリジナルでした。
「この〜樹、何の樹、猪木(いのき)」と唄ったのです。
僕はMSさんも楽しそうだなとしか思わなかったのですが、
一緒に行動していた名古屋からの2人連れの女性の壺にみごとに入ったようでした。
二人はその「猪木」の瞬間に大爆笑でした。地域によって笑いのポイントが違うようです。

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ウィルソン株の中はかなり広く、少なくとも6畳以上の広さがあったように思います。
その中に入ってある場所から上を見上げるとみごとなハートマークが見えました。
このアングルを最初に見つけた人は偉い。
広い切り株の空間の中でハートに見える場所はホントに一か所のみ。

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ウィルソン株からトロッコ道に出るまでは、ツ―アー客が信じれられないほど
多く上がってくるので、すれ違うのが大変でした。

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トロッコ道に出ると右側からずっと大量の水が流れる音が聞こえてきました。
大きな川が流れている様子が所々から見えました。
40分ほどトロッコ道進むと鹿の親子に出会いました。
暗い森の中をちょこちょこ動くのでカメラに収めるのに苦労しました。

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最後にトロッコ道から再度峠を越え、苔むした木々の多い、もののけ姫の
舞台のモデルとなった森を抜けてゴールの白谷雲水峡に辿りつきました。

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途中で写真をとりすぎたためか、16:10の最終バスが到着する30分ほど前に
なってしまいました。しばし冷たい川に足を浸して疲れをとりました。

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民宿八重岳ではトビウオのから揚げ、首折れサバなどしんせんなお魚を頂きました。
もちろん生ビールで乾杯。みな2杯ほど飲みました。

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この時なぜかMSさんの阪神への応援のひたむきさ加減が話題の中心となり
あまりの可笑しさに皆笑い転げました。他のテーブルに迷惑だったかもしれません。
しかし、ビールが本当に美味しかった。登山後のビールは最高でした。

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本当に充実した4日間でした。
またそのうち絶対ここに来るだろうだなと思いつつ屋久島を後にしました。
屋久島万歳!!
posted by shizenwalk at 02:27| 例会外活動報告